- 104研究のメタ分析:直前の静的ストレッチで筋力−5.4%。瞬発は−2.0%だが、計算の仕方によっては差があるとは言えない。年齢・性別・体力によらない。
- 影響は伸ばした合計時間が長いほど大きい傾向。1筋群60秒以上で−4.6%、60秒未満なら−1.1%。伸ばした合計時間が45秒以下で最小。
- ストレッチ後に動的な活動を挟めば、明確な影響は見られにくくなる。動的ストレッチ単体は+1.3%。
- 柔軟性の向上は筋線維の伸長ではなく、硬さの低下と伸ばされる耐性が主因。筋・腱の構造変化は数週間ではごく小さい。
- けが予防の統合ではストレッチの相対危険0.963(効果なし)。筋力トレーニングは0.315と有利。
- 筋肉痛の予防は100点満点で約0.5〜1点。臨床的に意味のある減少ではない。
よく言われていること——運動の前には、じっくり伸ばす準備運動をすべき。怪我の予防になる。
研究が示していること——直前に長く伸ばすと筋力は数%落ちる。けがの予防効果は、ストレッチ単独では確認されていない。ただしやり方と順番次第で、パフォーマンスへの問題は小さくできる。
そもそも「ストレッチ」は一種類ではない
話を始める前に、言葉を整理させてください。ストレッチには大きく2つのやり方があります。
| 種類 | やり方 | よくある例 |
|---|---|---|
| 静的ストレッチ | 伸ばした姿勢で止めて、しばらくキープする | 前屈して30秒キープ、アキレス腱を伸ばして止める |
| 動的ストレッチ | 動きながら関節を大きく動かす | 脚を振る、腕を回す、ももを上げて歩く |
「運動前のストレッチ」として多くの人が思い浮かべるのは、前者の静的ストレッチです。研究で問題になってきたのも、こちらです。
直前に伸ばすと、力は落ちるのか?
これについては大規模な集計があります。1966年から2010年までに発表された104件の研究をまとめたメタ分析です(Simic et al., 2013, Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports)。筋力61点、パワー12点、瞬発的な動作57点のデータが入りました。
| 測ったもの | 静的ストレッチ直後の変化 | 統計的に意味のある差か |
|---|---|---|
| 筋力 | −5.4%(95%信頼区間 −6.6%〜−4.2%) | あり |
| パワー | −1.9%(95%信頼区間 −4.0%〜0.2%) | なし(0をまたぐ) |
| 瞬発的な動作 | −2.0%(95%信頼区間 −2.8%〜−1.3%) | はっきりしない(パーセントの区間は0をまたがないが、標準化した値 −0.03〔−0.07〜0.01〕(ごく小さい)は0をまたぐ) |
筋力で約5%の低下。これは年齢・性別・体力レベルによらず見られました。つまり「初心者だから関係ない」ということはありません。
瞬発的な動作の低下は約2%と小さく、計算の仕方によっては差があるとは言えない、という点も添えておきます。
ただし、ここからが大事です。この低下は伸ばしていた合計時間と関係していました。もっとも影響が小さかったのは、伸ばした合計時間が45秒以下のときでした。
別の包括的なレビュー(Behm et al., 2016, Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism)も、同じ傾向をより細かく示しています。
- 1つの筋肉につき60秒以上伸ばした場合:−4.6%
- 1つの筋肉につき60秒未満の場合:−1.1%
60秒を境に、影響の大きさがおよそ4倍違います。「長く伸ばすほど良い」という考え方が、ここでは裏目に出ています。
2019年の整理も、この時間の境を強調しています(Chaabene et al., 2019, Frontiers in Physiology)。1筋群60秒以下なら筋力・パワーへの損ないはごく小さく(およそ1〜2%)、60秒を超えると4.0〜7.5%と、実用的に無視しにくい低下になると書いています。著者自身も、競技の直前では短い静的でも注意が要ると添えています。
では、やめるべきなのか?
ここが、この記事でいちばんお伝えしたい部分です。やめる必要はありません。順番を変えるだけで問題は小さくなります。
先ほどの Behm らのレビューには、こう書かれています。これらの研究の多くは、ストレッチの後に何もせず、平均して3〜5分後に測定していました。しかしストレッチの後に動的な活動を入れた研究では、パフォーマンスへの明確な影響は見られませんでした。
つまり、こういうことです。
静的ストレッチ → すぐに全力 → 筋力が数%落ちた状態で始めることになる
静的ストレッチ → 動的な動き(軽いジョグ、脚振り、その競技の動き)→ 本番 → 影響は消える、またははっきりしない
同じレビューでは、動的ストレッチは運動の数分前に行うと、小〜中程度の改善(+1.3%)をもたらすとも報告されています。静的ストレッチが −3.7%、動的が +1.3% という対比です。PNF(相手や自分で抵抗をかけながら伸ばすやり方)は −4.4% でした。
なお、Simic らのメタ分析の結論は「静的ストレッチをウォームアップの唯一の活動として使うことは、一般に避けるべき」というものでした。禁止ではなく、それだけで済ませるなという指摘です。構造化されたウォームアップ全体の話は、ウォームアップの記事にまとめています。
何秒伸ばすと、何が変わるのか?
実務でいちばん聞きたいのは、おそらくここです。答えは「目的で秒数が変わる」です。
| 目的 | 目安(原典の言葉に近い形) | 出典 |
|---|---|---|
| 運動直前の力を落とさない | 伸ばした合計時間が45秒以下で影響が最小。1筋群60秒未満なら −1.1%、以上なら −4.6% | Simic 2013 / Behm 2016 |
| 関節の可動域を長く保ちたい | 主要な筋腱群それぞれのストレッチを、1種目あたり合計60秒、週2日以上 | Garber et al., 2011 |
| 長期で可動域を伸ばしたい | 週あたり合計5分以上。週の回数が多いほど有利、という整理 | Thomas et al., 2018 |
ACSM(アメリカスポーツ医学会)の見解書は、健常成人の柔軟性維持として「主要な筋腱群それぞれのストレッチを、1種目あたり合計60秒、週2日以上」を勧めています(Garber et al., 2011, Medicine & Science in Sports & Exercise)。これは「試合の直前に60秒伸ばせ」という意味ではありません。日常の柔軟プログラムの話です。
長期の可動域を扱った23論文の統合では、1回のセッション内の長さだけでは有意差が出にくく、週あたりの合計時間が効くと報告されています。週5日以上・静的・週合計5分以上、という整理です(Thomas et al., 2018, International Journal of Sports Medicine)。「今日30分一気に」より、「短くても何度も」の側に寄っています。
だから読者は、次のように分けて考えるとよいです。直前は短く・動的を挟む。柔軟性そのものを伸ばしたいなら、運動の前後ではなく別の時間帯に、週の合計を積む。
柔軟性が上がるのは、筋線維が長くなるからではない
ストレッチを続けると、体は確かに柔らかくなります。では、そのとき体の中では何が起きているのでしょうか。「筋線維そのものが長くなる」と思われがちですが、測定してみると、そう単純ではありませんでした。
3週間続けた人の体を測った研究
足首を反らす方向の柔軟性について、3週間・1日2回(30秒×4セット)のストレッチを行った12名と、何もしない対照群9名を比較した研究があります(Blazevich et al., 2014, Journal of Applied Physiology)。
対照群にはまったく変化がありませんでした。ストレッチ群では、次のようになりました。
| 測定項目 | 変化 | 意味 |
|---|---|---|
| 足首の背屈可動域 | +19.9% | 確かに柔らかくなった |
| 可動域の端での受動関節モーメント | +28% | より強く引っ張られても耐えられるようになった |
| 筋のスティフネス(硬さ) | −18% | 伸ばされるときの抵抗が減った |
| 可動域の端での筋の長さ | +13% | 筋全体としては長く伸びた |
| 筋束の長さ | 変化なし | 安静時の長さは長くなっていない |
| 筋束の角度・腱の伸び・腱の硬さ | いずれも変化なし | 腱も変わっていない |
| 最大筋力・力の立ち上がり速度 | 変化なし | 柔らかくなっても筋力は落ちていない |
つまり、安静時の筋線維の長さは変わっていないのに、可動域はおよそ2割増えていたということです。伸ばされたときに筋と筋束がより長く伸びるようになり、耐えられる張力も上がっていました。
効いていたのは「硬さ」と「耐性」だった
もう少し長い期間で調べた研究もあります。30セッションの静的ストレッチ訓練を12名に行った研究です(Guissard & Duchateau, 2004, Muscle & Nerve)。
最大足関節背屈は30.8%増加(P < 0.01)。そしてこの柔軟性の改善は、筋の受動的な硬さの低下と強く関連していました(r² = 0.88、P < 0.001)。相関の二乗が0.88というのは、非常に強い関係です。
さらに、H反射とT反射の振幅がともに低下していました(腱反射で−36%、H反射で−14%)。これらは、筋が急に伸ばされたときに反射的に縮もうとする反応の指標です。ストレッチを続けると、この「反射的に抵抗する働き」が弱まるということです。
そしてここでも、最大随意収縮のトルクと、力の立ち上がり速度は、訓練の影響を受けませんでした。
やめるとどうなるか
同じ研究は、訓練終了の1か月後も測定しています。結果は興味深いものでした。
- 柔軟性と受動的な硬さの変化は、部分的に維持されていた
- しかし反射活動は、すでに対照群のレベルに戻っていた
反射の適応は早く失われ、組織の性質の変化はもう少し残る。ここから言えるのは、柔軟性を保ちたいなら続ける必要があるが、しばらく空いてもゼロには戻らないということです。
まとめると、柔軟性が上がる仕組みは主に3つです。筋の受動的な硬さが下がる/反射的に抵抗する働きが弱まる/伸ばされる感覚への耐性が上がる。筋線維そのものが長く作り替わるのではなく、伸ばされたときにより長く伸びられるようになり、耐えられる張力が上がる、という整理です。
長く続けると、体の中身はどう変わるのか?
3週間や30セッションの話は、あくまで短い訓練です。では、数週間以上続けたときの「筋や腱そのもの」はどうでしょうか。
3〜8週間・週2回以上のストレッチ介入26研究をまとめたレビューがあります(Freitas et al., 2018, Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports)。週あたりのストレッチ総時間は平均1,165秒でした。
結果は次のとおりです。筋の構造・筋の硬さ・腱の硬さへの効果はごく小さく、最大で耐えられる受動力には小さい効果。著者らの結論は、「8週未満の慢性ストレッチでは、筋や腱の性質はほとんど変わらず、伸びやすさと強い張力への耐性が上がる。適応は主に感覚レベルで起きている」というものです。
足首の背屈に限った別の統合(20研究)では、静的ストレッチで平均+5.17°(95%信頼区間 4.39〜5.95、異質性 I²=0%)、PNFで +4.32°でした。弾道ストレッチは +3.77°でしたが、信頼区間が0をまたぎ、効果ありとは言えませんでした(Medeiros & Martini, 2018, The Foot)。
ハムストリングでは、健常若年成人19研究の統合で、静的ストレッチが対照より柔軟性を上げています(例: 受動ストレートレッグレイズで平均12.04、検査の単位で)(Medeiros et al., 2016, Physiotherapy Theory and Practice)。
読むときのポイント。可動域の数字は上がりやすい。一方で「筋が長くなった」「腱が変わった」までは、数週間の訓練では示されにくい。効果の大きさを自分の言葉で誇張せず、著者の「感覚レベル」という評価をそのまま受け取るのが安全です。
日本の公的ガイドでも、高齢者には有酸素・筋力・バランス・柔軟を含む多要素運動を週3日以上と書かれています(厚生労働省, 2024)。ここで言う柔軟は、転倒予防プログラムの一部です。ストレッチだけを切り出してけがが減る、という意味ではありません。
怪我の予防にはなるのか?
「力が落ちても、怪我を防げるならやる価値がある」と考える方もいると思います。そこで、この点を正面から調べた研究を紹介します。
オーストラリア陸軍の男性新兵1,538名を、ストレッチ群と対照群に無作為に分けた12週間の試験です(Pope et al., 2000, Medicine & Science in Sports & Exercise)。両群とも動的なウォームアップは行い、ストレッチ群だけが脚の主要6筋群それぞれに20秒の静的ストレッチを、毎回の準備運動で監督下に追加しました。
期間中に333件の下肢の怪我が記録されました(うち軟部組織214件)。
| 怪我の種類 | ハザード比(1.0で差なし) | 結果 |
|---|---|---|
| すべての怪我 | 0.95(95%信頼区間 0.77〜1.18) | 差なし |
| 軟部組織の怪我 | 0.83(95%信頼区間 0.63〜1.09) | 差なし |
| 骨の怪我 | 1.22(95%信頼区間 0.86〜1.76) | 差なし |
件数で見ると、ストレッチ群158件、対照群175件。差はありませんでした。著者らの結論は「準備運動時の一般的なストレッチは、臨床的に意味のある怪我の減少をもたらさない」というものです。
もっと広い視野のメタ分析もあります。25の無作為化試験・26,610人・けが3,464件を統合した研究です(Lauersen et al., 2014, British Journal of Sports Medicine)。
| 介入の種類 | 相対危険(1未満が有利) | 判定 |
|---|---|---|
| ストレッチ | 0.963(0.846〜1.095) | 効果なし |
| 複合的な運動介入 | 0.655(0.520〜0.826) | 有利 |
| 固有受容(バランスなど) | 0.550(0.347〜0.869) | 有利 |
| 筋力トレーニング | 0.315(0.207〜0.480) | 有利(著者は「1/3未満」と評価) |
著者らは「ストレッチを除くすべての予防策で一貫して有利な推定が得られた」と書いています。Behm らのレビューも、静的ストレッチにはすべての原因による怪我・使いすぎによる怪我のいずれについても明確な効果はなかったとしています。
一方で Chaabene らは、短い静的を完全なウォームアップに含めると筋腱けがを減らす可能性があるとも書いています(Chaabene et al., 2019)。ここは対立です。大規模な統合(Lauersen et al., 2014)と大規模RCT(Pope et al., 2000)は「ストレッチ単独では効かない」側、叙述レビューの一文は「ウォームアップ全体の一部ならありうる」側です。ストレッチだけを足せばけがが減る、とは言えません。ただし Behm らも結論では、後に動的な動きを入れるウォームアップの一部としてのストレッチを、筋のけがを減らす目的で勧めています(Behm et al., 2016)。
Pope の研究には、もうひとつ重要な発見があります。体力(20mシャトルランの成績)、年齢、入隊時期が、怪我のリスクを有意に予測していました。著者らは「体力は、変えられる重要なリスク要因かもしれない」と述べています。体力の低さとけがのリスクは関連していましたが、体力を上げればけがが減るかどうかは、この試験では調べていません。量の考え方は筋トレの回数の記事も参照してください。
なお、ストレッチと筋肉痛(遅発性筋痛)は別の問いです。12件の研究をまとめたコクランレビューでは、運動前のストレッチで翌日の痛みは100点満点で平均0.52点、運動後で1.04点しか減らず、信頼区間は0をまたいでいます(Herbert et al., 2011, Cochrane Database of Systematic Reviews)。前後に行った大規模研究1件でも、1週間のピーク時で約4点減でした。著者は「非常に小さい」と明記しています。詳細は筋肉痛の記事にあります。
厚生労働省のガイドは、ある程度の強度の運動ではウォームアップを勧めています(厚生労働省, 2024)。目的には傷害予防やパフォーマンス、体調の把握が含まれます。ただし推奨されているのは「準備運動」であり、静的ストレッチ単独のけが予防ではありません。
それでもストレッチに意味はある
ここまで否定的な数字が続きましたが、ストレッチが無意味だという話ではありません。
- 関節の動く範囲は確かに広がります。Behm らのレビューでは、どの種類のストレッチでも可動域は改善しました。ただし効果が続くのは通常30分未満です(急性効果の話)。長期では前節のとおり、静的を中心に週の合計を積むと可動域は上がりやすいです。
- 筋肉が長く伸びた状態での発揮には、中程度の利点(+2.2%)がありました。大きく伸ばす姿勢を取る種目では、むしろ有利に働くことがあります。
- それ以外の、直前の筋力や瞬発力にとっては、長い静的ストレッチは不利に働きます。目的を混ぜないことが大切です。
整理すると、次のようになります。
運動の直前は、動的ストレッチを中心に。静的にやるなら短く(伸ばした合計時間が45秒以下が目安)、そのあと必ず動的な動きを挟む。
柔軟性を伸ばしたいなら、運動の直前ではなく、別の時間帯にじっくり行う。週の合計(目安として5分以上)と回数を意識する。
この記事の限界
- 測定の多くは、最大筋力や跳躍のような「全力の一発」です。ヨガ、ピラティス、ウォーキングのように全力を出さない運動で、5%の筋力低下が問題になるかは別の話です。
- 怪我の研究は陸軍新兵やスポーツ競技者が中心です。年齢・性別・運動の種類が違えば、結果も違う可能性があります。立川のスタジオ利用者にそのまま当てはめられません。
- ハザード比や相対危険の信頼区間は広めです。「差がない」と確定したのではなく、「差があるとは言えなかった」という状態も含みます。
- 効果量のパーセントは平均です。個人差があり、あなたに同じ数字が当てはまるとは限りません。
- 外国の研究と日本のガイドを並べています。ACSMの60秒・週2日と、厚労省の高齢者向け多要素運動は、目的も対象も違います。
- Chaabene の「短い静的がけがを減らす可能性」と、Lauersen / Pope の「効果なし」は対立します。本文では両方を書き、単独での予防効果は主張していません。
- 痛みのある部位を無理に伸ばさないでください。持病がある方、骨折や手術の直後の方、関節に腫れがある方は主治医や理学療法士にご相談ください。胸の痛み・激しいめまい・意識が遠のく感じがあるときは、運動を中止し、必要なら救急への連絡を優先してください。ここに書いたことは一般的な情報提供であり、医学的助言ではありません。
出典
- Simic, L. et al. (2013). Does pre-exercise static stretching inhibit maximal muscular performance? A meta-analytical review. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports. doi:10.1111/j.1600-0838.2012.01444.x
- Behm, D. G. et al. (2016). Acute effects of muscle stretching on physical performance, range of motion, and injury incidence in healthy active individuals: a systematic review. Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism. doi:10.1139/apnm-2015-0235
- Chaabene, H. et al. (2019). Acute Effects of Static Stretching on Muscle Strength and Power: An Attempt to Clarify Previous Caveats. Frontiers in Physiology. doi:10.3389/fphys.2019.01468
- Blazevich, A. J. et al. (2014). Range of motion, neuromechanical, and architectural adaptations to plantar flexor stretch training in humans. Journal of Applied Physiology. doi:10.1152/japplphysiol.00204.2014
- Guissard, N. & Duchateau, J. (2004). Effect of static stretch training on neural and mechanical properties of the human plantar-flexor muscles. Muscle & Nerve. doi:10.1002/mus.10549
- Pope, R. P. et al. (2000). A randomized trial of preexercise stretching for prevention of lower-limb injury. Medicine & Science in Sports & Exercise. doi:10.1097/00005768-200002000-00004
- Lauersen, J. B. et al. (2014). The effectiveness of exercise interventions to prevent sports injuries: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials. British Journal of Sports Medicine. doi:10.1136/bjsports-2013-092538
- Herbert, R. D. et al. (2011). Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise. Cochrane Database of Systematic Reviews. doi:10.1002/14651858.cd004577.pub3
- Thomas, E. et al. (2018). The Relation Between Stretching Typology and Stretching Duration: The Effects on Range of Motion. International Journal of Sports Medicine. doi:10.1055/s-0044-101146
- Freitas, S. R. et al. (2018). Can chronic stretching change the muscle-tendon mechanical properties? A review. Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports. doi:10.1111/sms.12957
- Medeiros, D. M. & Martini, T. F. (2018). Chronic effect of different types of stretching on ankle dorsiflexion range of motion: Systematic review and meta-analysis. The Foot. doi:10.1016/j.foot.2017.09.006
- Medeiros, D. M. et al. (2016). Influence of static stretching on hamstring flexibility in healthy young adults: Systematic review and meta-analysis. Physiotherapy Theory and Practice. doi:10.1080/09593985.2016.1204401
- Garber, C. E. et al. (2011). American College of Sports Medicine position stand. Quantity and quality of exercise for developing and maintaining cardiorespiratory, musculoskeletal, and neuromotor fitness in apparently healthy adults: guidance for prescribing exercise. Medicine & Science in Sports & Exercise. doi:10.1249/mss.0b013e318213fefb
- 厚生労働省 (2024). 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(令和6年1月). 厚生労働省 身体活動・運動ガイド
さらに詳しく知りたい方へ
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この記事のまとめ
- 直前の静的ストレッチで筋力は平均 −5.4%。影響は伸ばした合計時間が長いほど大きい傾向があり、45秒以下で最小、60秒以上で大きい。
- ストレッチのあとに動的な動きを挟めば、パフォーマンスへの明確な影響は見られにくくなる。動的ストレッチ単体は +1.3%。
- 柔軟性の向上は、筋線維が長くなったからではない。硬さの低下と伸ばされる耐性が主因。
- 数週間の慢性ストレッチでは可動域は上がるが、筋・腱の構造変化はごく小さい、という整理がある。
- けが予防では、ストレッチ単独は効果なし。筋力トレーニングなど他の介入のほうが有利。
- 筋肉痛の予防効果は100点満点で1点前後。臨床的に意味のある減少ではない。
- 直前は短く動的を挟む。柔軟性そのものは別の時間帯に、週の合計で積む。
よくある質問
運動前のストレッチはやめるべきですか?
やめる必要はありません。問題になるのは静的ストレッチだけで準備を済ませてすぐ全力を出す場合です。ストレッチの後に動的な動きを挟めば、パフォーマンスへの明確な影響は見られにくくなると報告されています(Behm et al., 2016)。
どのくらい伸ばすとよくないのですか?
1つの筋肉につき60秒以上で影響が大きくなります(−4.6%)。60秒未満なら−1.1%、伸ばした合計時間が45秒以下のときにもっとも小さくなります(Behm et al., 2016; Simic et al., 2013)。長く伸ばすほど良いわけではありません。
ストレッチは怪我の予防になりますか?
陸軍新兵1,538名の試験では差がありませんでした(Pope et al., 2000)。25試験の統合でもストレッチの相対危険は0.963で効果なし、筋力トレーニングは0.315と有利でした(Lauersen et al., 2014)。
動的ストレッチとは何ですか?
止めずに動きながら関節を大きく動かすやり方です。脚を振る、腕を回す、ももを上げて歩くなど。運動の数分前に行うと小〜中程度の改善(+1.3%)が報告されています(Behm et al., 2016)。
柔軟性を上げたい場合はどうすればよいですか?
運動の直前ではなく別の時間帯に、静的を中心に週の合計を積んでください。急性の可動域改善は通常30分未満で、長期では週合計5分以上・週の回数が多いほど有利という整理があります(Behm et al., 2016; Thomas et al., 2018)。